ムサシ「ドルと円の価格はなぜ動くの?」
くう先生「うむ。それは通貨の歴史を語らねばならんの」
1871年5月10日
日本で初めての統一通貨「円」が発行される
1ドル = 1円
日中戦争・日露戦争により、円安が進行する。
1ドル = 2円
1924年 常識を覆すような20年代と言われるアメリカ全盛期
1ドル = 2円63銭
1931年 イギリスと日本が金本位制を廃止し、急激なインフレが発生する。
1ドル = 5円
1945年 日本敗戦 戦後の混乱期が始まる。
1ドル = 15円
1947年 食料エネルギー問題などにより、インフレが止まらない。
1ドル = 50円
1948年
1ドル = 150円 → 270円
1949年 インフレを抑えるためGHQはドル円相場を360円に固定する。
1ドル = 360円
以後22年間は、ドル円相場は固定相場となる。
1971年 ベトナム戦争での戦費拡大により、アメリカが金本位制を維持できなくなる。これがニクソンショックと呼ばれ、これにより全ての国が変動相場制へ移行する。
1ドル = 300円
1978年 日本の高度経済成長が続き、円高が進んでいく。
1ドル = 200円
1985年 プラザ合意 アメリカの貿易赤字を止めるために、先進国がドル安で協調することを決める。プラザ合意後、バブルの影響もあり、ドル円は急落する。
1ドル = 160円
1987年 一時的に160円まで上げたドル円だったが、乱高下を繰り返し、バブル崩壊によって下落が始まる。
1ドル = 120円
1995年 バブル崩壊後、ドル円は下落し続ける。
1ドル = 80円
1997年 アジア通貨危機 アジアの通貨が広く売られる。
1ドル = 140円
1999年 ユーロ誕生 ドル円はここから9年間、相場が安定する。
1ドル = 100円〜130円
2008年 リーマンショックが発生し、安全通貨として円が買われ始める。
1ドル = 87円
2010年 ユーロ危機 ユーロ不安により円がさらに買われる。
1ドル = 83円
2011年 東日本大震災 保険会社が支払準備として海外資産を円転させるとの観測などが
広がり、円高が急激に進む。
1ドル = 76円(戦後円史上最高値)
2012年 アベノミクス 日本政府(日本銀行)が大胆な金融緩和を発表。
1ドル = 93円
2014年 金融緩和第2弾 日銀黒田総裁がさらなる金融緩和を発表。
1ドル = 120円
引用:http://thinkmoney.mobi/post-613/
くう先生「1871年とは明治4年で廃藩置県があったころじゃの。そのころは1ドルが1円じゃったのじゃ。アメリカと日本は対等だったのじゃな」
ムサシ「1ドルが2円になると円の数字が増えてるのに円安っていうの?」
くう先生「ちょっとややこしいが、今まで1ドルを買うのに1円の支払いですんでいたのが2円支払う必要になり、円の価値が下がった=円(の価値が)安と呼ばれるのじゃ。円安、円高という言葉は相対的なものなので、いつと比較して円安/円高なのか?という比較対象もいるんじゃな」
むさし「日本で戦争になると円安になるんだね」
くう先生「物資が不足すると、基本的にお金をたくさん払わないと買えなくなり(=インフレ)物資が不足していない国(アメリカ)から物資を調達しようとするため、円をいくらでも払うから、食料やエネルギーを売ってくれ!という状態になり、それに伴って為替も円安に変動していくんじゃ。そして第2次世界大戦の敗戦にともない、急激なインフレ、円安がすすみ、ドル円が360円に固定されたんじゃ。円が1周360度だったからという都市伝説もあるが、実際にはアメリカの経済調査団が調査したところ320円ぐらいが妥当じゃったそうな。ただ当時は、それよりさらに円安に設定して、日本の経済をはやく復興させたいという意図もあったんじゃな。なぜなら、もう日本はアメリカの傘下になったのだから、当時のソビエトとの競争に勝つ必要があったからじゃ。こうして日本は物を作って海外に売り、輸出大国として急激に発達したのじゃ」
ムサシ「そのころは価格は変動しなかったの?」
くう先生「しばらく1ドル360円の固定相場制になっておったから、為替が変動することはなかったのじゃ」
ムサシ「なんでそれがまた変動相場制になっちゃったの?」
くう先生「固定相場だったのは、いつでも35ドルで1オンス(=28.3495g)のゴールドと交換しますよ!という保障(=金本位制)があったのじゃが、これまた朝鮮戦争やベトナム戦争や貿易での支払いの為に、アメリカ国内に保有するゴールド(111億ドル)以上のドルを印刷(193億ドル)しまくって、ゴールドとの交換を保障できなくなってしまったんじゃな」
ムサシ「猫でもわかるのに・・・」
くう先生「それで当時のニクソン大統領が、固定相場制はもうやめた~!って宣言したのじゃ。それをニクソンショックと呼ぶのじゃ!」
ムサシ「・・・(わら)それから現在まで変動相場制なんだね」
くう先生「そうじゃ!それでさまざまな要因でドルと円は、値段が変動していくのじゃ」
ムサシ「どんな要因で値段がかわるの?」
くう先生「さまざまな要因が複雑に絡んでいるから一概に単純化はできんがあえていうなら
円高要因
日本の金利高、日本からみて輸出の増加、日本の安定、安心、安全
ドル高要因
アメリカの金利高、アメリカからみて輸出の増加、アメリカの安定、安心、安全
みたいなことかのぅ・・」
ムサシ「なるほど、みんな安心したいからね。」
くう先生「そういった大衆の心理の集大成みたいな結果が為替に現れるのじゃ。あるいは結果ではなく、意図的に誘導しようとして円高・円安に持っていこうと大量のドルを国が介入して売ったり買ったりする場合もある。トランプ大統領はこれを指して、為替操作国だと非難したりしてるのじゃ」
ムサシ「ドル円はどんな人が売ったり買ったりしているの?」
くう先生「各国の中央銀行、輸出・輸入業者、保険のリスク回避、外国の株を売買する投資家、外貨預金をする人、海外旅行をする人などじゃ。もちろんこの錬金術で証拠金取引(FX)をする人も含まれる」
ムサシ「いろんな人が色んな思惑で売り買いしているんだね。仮想通貨の場合意はどうなの?」
くう先生「仮想通貨はこれからの技術じゃから、まさに革命が始まっているところなんじゃ。そのため基本的にはまだまだ値段が上がっていくと思われておる。ドル円の歴史のように1ドル1円が1ドル360円になるようなこともありえるのじゃ!ただ通貨の価格というのは、かならず一直線にはあがらず、短期的に上下を繰り返しながら長期的にあがったり下がったりするのじゃ。そのため今はどちらの方向にあるのかトレンドを見極めるのが大事じゃな」
ムサシ「まだ上がるんだったら、手放したくないにゃ」
くう先生「みんながそう思っているうちはまだ上がるじゃろう。ただ相場の格言に、”まだはもうなり、もうはまだなり”という名言もあるぐらいじゃからの」
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